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m_nerita 2010/02/08 |
戸村飯店 青春100連発 |
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アマゾンでのレビュー
- この小説はいろいろな読み方を楽しめる作品だなと思いました。
まず、兄弟愛。皆さんが書かれているように、ヘイスケとコウスケの情愛にはじんときますね・・。
次に、青春。これも皆さんが書かれていますが、ヘイスケとコウスケがそれぞれ悩みながらも、成長していく姿がほほえましく感じられました。
三つ目は、郷土愛。関西の人たちには、強烈なこだわりや愛着、独特の情緒やメンタリティ、プライドとその裏返しのコンプレックスなど、関東人の私には理解しにくい熱いものがあるんだろうなということがひしひしと伝わってきました。
四つ目は、小説教本。本作を読んでいると、伏線の張り方の巧みさや、構成・ストーリーの立て方、人物設定のうまさ、表現力、シリアスな内容を笑いで包む巧みさ、等々に感心させられます。プロの小説家だからうまいのは当然だと言ってしまえばその通りなのですが、やっぱりうまいです。小説はこんな風に書くと書きやすいんだよと、瀬尾さんが身を持って教えてくれているのじゃないかと受け取ってしまいました。作品の中に小説の専門学校が出てきますが、これは、著者が読者に対して仕掛けた"伏線"かもしれないと妄想してしまいました。
五つ目は、私小説的心理分析。こんな読み方をする人は少ないと思いますが、私は、ヘイスケと岸川アリサの二人に注目しました。そして、二人はもしかして、著者の分身なのかもしれないと思いました。つまり、ヘイスケは、器用で要領のいい人間と周りから思われているのに、本人は違和感を抱きながら、もがいている孤独な自分であり、岸川アリサは、この"自分"から一歩離れて客観的に見ているもう一人の自分。二人を描きながら、著者の経験した葛藤を書こうとしているのではと感じました。深読みしすぎですかね・・? 読み方が根本的にちゃうで、と叱られますかね・・・。
全編を通して、「ごめんください。どなたですか・・・」の吉本新喜劇ギャグが光っています。これっておもしろいけど、本当は切ないギャグなんですよね。ある意味で、本作の象徴と言えるかもしれません。
なお、私にとって星4つは最高評価です(星1つと星5つは、原則として付けないことにしているので)。 - 瀬尾さんとこのタイトルのミスマッチがいったいどうなんだ・・?
と手に取りましたが読み進むにつれて、甘酸っぱくてせつなくておかしくて・・。
10代終わりの密度の濃い日々が重なって行く中でいつしかひとまわり大きくなって行く
主人公の兄と弟。またとりまく人々があたたかくて人間くさくて・・。じわじわっと
こちらの心もあたたまってきます。
ラストはおかしくもさわやかですがすがしい!と思った直後にあれれ?なんだか涙がポロリ。
自分の中のいろんな感情が揺り動かされたようでこれはたしかに「青春100連発」です。 - 裏切られることのほとんどない瀬尾さんの本。はじめはけなげな弟が主役で、おにいちゃんはスカしていていやだなあ、と思っていた。すっかり瀬尾ワールドにはめられていたわけだ。お料理についても、ああ、きっと実際にも上手なんだろう、と思わせるほど、細部まで自然体でやっぱりうまい。今のペースでゆっくりと、いい作品を書き続けてほしい。
- の登場人物ばかりである。 愛想がよく器用で要領のいい人や、明るくごまかしがないはっきりしている人気者や、真面目で落ち着いている優しい人など、読んでいて気分が落ちることはなかった。 基本の舞台は大阪であり大阪弁の会話で物語が進んでいくので、自分が大阪人ということもあるがすごく読みやすい。 話の内容は、中華料理店の息子2人の話。文才がある兄は家を出たいがためにそれを口実に小説家になるといい東京へ発つ。弟は身勝手な兄のせいで店を継がなくてはならないと勝手に解釈し暮らしていく。 この話を肯定的に見れば、家族や友達、恋人の大切さを改めて感じさせてくれる。悩みがたえない弟は友達や兄に相談し解決していくし、何事にも真剣になれず器用にこなしてしまう兄は恋人から真剣になることの大切さを教わる。 否定的に見れば、全体を通して実家を離れひとりだちすることが良いという雰囲気があること。兄は家族との話し合いがなく進路を決める。責任感のない兄に何も言わない両親。このあたりを詳しく書いてほしいと思った。 しかし、よくまとまっているのでおすすめ。
- 年間100冊ぐらいの小説を読みましたが、瀬尾まいこ最高です。
中でもこの戸村飯店は最高傑作。
人が殺されることもなく、謎もなく、事件も起きない。
なのにすごい。
自分自身や人の評価って、自分だけの思い込みだったりします。
それを別の人の言葉から、そんな一面もあったんだ、と再評価したり。
そして身近な人(兄弟)や自分自身のことをちょっと再発見。
自然と愛されていたことに気付きます。
最後は泣き笑い。
ほんの少しのこと何だけど、それをすうっと心にはいるかたちで描ける瀬尾まいこは最高です。
色んな人の本を100冊読んでも星5つはヒトケタです。
瀬尾まいこの本は「温室デイズ」以外は星5つ。かならず最後にじんときます。
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